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第69回 生活習慣病(慢性病)の治し方(2004年3月3日)

花粉症の季節になると、花粉症の人はいやな季節になったと言うが、花粉症でない私は気の毒だと思うだけである。医学的には免疫力の弱い人が花粉症になるらしいので、要するに免疫力を強くすれば治るわけである。私は山歩きを趣味にしているが、花粉症を治すために山歩きを始めたという人は多い。そして、いつの間にか治ってしまうようである。医者が処方する薬や対処法はほとんどの場合、治すためではなく症状を緩和するためだけのようである。つまり、根本的な治療にはならない。花粉症を治すために山歩きを始めたという人は、十年以上治療したが少しも良くならないので、逆療法で思い切り荒療治してみようと思って山歩きを始めたと言う人が多い。

どうも最近の医学は治すのではなく症状を緩和するだけのように思われてならない。たとえば、現代医学では高血圧でも糖尿病でも、一生治らないものということになっている。しかし、実際には、これらの病気を根本的に治した人たちは大勢いる。そういう人たちの治療法を現代医学では医学的ではないとして馬鹿にする。医学的であろうとなかろうと、病気は治ればよいのである。

あらゆる慢性的な病気の治療法がある。それについて書いてみようと思う。どんな慢性的な病気でもその原因は同じである。それは遺伝と生活習慣である。遺伝はどのような病気でもその影響が20%程度だということなので、病気の原因の80%が本人の生活習慣である。とすれば、生活習慣を変えれば必ず治るはずである。通常、生活習慣について言われることは食事と運動である。しかし、これも実は対処療法に過ぎない。食事療法と運動療法というのは、あくまで医学的な治療法だからである。

生活習慣を変えるには考え方を根本的に変えなければならないのである。つまり意識改革しなければいけない。これについて、書くことにする。信じようと信じまいと読者の勝手である。ただ私は多くの悩める経営者・管理者たちに生活習慣病の治し方を伝えたいだけである。私の治し方を実行しようがしまいが読者の勝手である。私は医者ではないし、栄養学者でもない。また、信ずるものは救われるというような宗教家でもない。悩める経営者・管理者の味方、経営コンサルタントである。

昔から病は気からと言う。気というものはものすごい力を持っている。火事場の馬鹿力の例にしても、気力によって、いろいろな課題を克服したという話は良く聞くし、実際にそうした経験は多くの人が持っている。スポーツの試合でここぞというときに気合を入れたり、歯を食いしばったりして気力を高めてから臨むと、良い結果が得られることを誰もが知っている。また、試験の時に受かりますようにと神様にお願いしても受からないが、絶対に受かるぞと思って試験に臨むと受かる場合が多い。

これらは気力が高まっているために血の流れが良くなって身体や頭が働くためであるという。あるいは、自分が病気でないのに、病気だと思っていると本当に病気になってしまうこともある。また、病気の人が絶対に病気を治すぞと思っていると本当に治ってしまうことがある。こういったことは、誰もが経験しているはずである。それならば、こういった気力を利用すればよいではないか。

私は昔、仕事の疲れを取るためにヨーガ教室に5年間通ったことがある。この5年の間に6人の先生の教室に通ったので、いろいろな考え方や実践方法を学んだ。また、特別授業としてインドのグル(ヨーガの先生)から直接ヨーガの手ほどきを受けたり、インドの大学の先生からアーユルベーダ(インドの医学)を直接教わったりしたこともある。また、比叡山で阿砂利と共に数日間だけであるが修行したこともあった。東京の高尾山での滝行(2月に滝に打たれる)も経験した。断食道場にも参加した。さらに、栄養学者などの話を聞くこともできた。このようないろいろな経験や学習を通じて、あらゆる病気は治るものであることを確信している。つまり、生活習慣を変えるということは単に食事療法や運動療法ではなく、その根底となる考え方を学んで、実践することによって治るのである。

これらの中で誰にでも理解できるであろうと思われることを書くことにする。栄養学者の川島四郎先生から直接話を聞いたことがある。この先生は、乾パンの発明者として知られているが、戦時中に軍医として兵隊の精神力ならぬ精力を強くするにはどうすれば良いかを研究した人である。敵に勝つためには体力だけでなく精力が重要であると考えたためである。それで、何をしたかというと、精がつくと言われている食べ物を片っ端から自分で試したという。日本のマムシやすっぽんはもちろん、世界中の精力がつくと言われているあらゆる食べ物を取り寄せて試したと言う。その結果、精力が最もつく食べものは豚肉とにんにくをいっしょに食べることだということを発見した。

ビタミンBとアリシンが結合すると最も精力がつくという。結果は常識的で何のことはないが、自分で世界中の精力がつくと言われる食べ物を食べて、その翌日に精液の量を計ったり、顕微鏡で精子の活性を調べた結果だというから実に説得力がある。このように、この先生の偉大さは必ず自分の身体で試すことである。川島先生が言うには、すべての栄養学者は頭で考えたり動物実験したりしてものを言うが、私はあまり考えずに自分の身体で試してからものを言うからうそではないのだと。また、ほとんどの医者や栄養学者は早死にをするが、私は分からないことは何でも自分の身体に相談するので、長生きをするはずだとも言う。私が先生に話を聞いたとき、すでに87歳になっていたのだが、その年の夏にアフリカのマサイ族といっしょに槍を持ってライオンを追いかけているビデオを見せてくれた。ものすごいパワーだと思った。残念ながらアフリカでマラリヤにかかったことが原因で92歳でなくなってしまった。

川島先生は食べ物というものは生き物であるから、我々は生き物を殺してそれを食べて生きている。したがって、食べ物を食べる時には「食べ物さんありがとう」という感謝の気持ちと、「命をいただきます」という畏敬の念を忘れてはいけないと言う。そうすれば、食事をする時には帽子を取って、両手を合わせ、頭を下げて、「あなたの命をいただきます」という言葉が自然に口にでるようになると言う。

また、食べ物を大事にするようになるから、食べられるものは何でも食べるようになり好き嫌いなど自然になくなるし、腹いっぱい食べるようなこともなくなると言う。たとえば米は玄米、野菜や果物は皮ごと残さずに食べるようになる。また、川島先生は生き物である食べ物と戦って勝ったら食べられるが負けたら食べられないと言う。逆に自分が食べられてしまうこともあると言う。例えば、牛と戦って勝てる人は牛を食べてもいいが勝てない人は食べてはいけないと言う。これは、人類が何十万年もの間行ってきたことなので、人間はそういう身体になっている。だから、現代でもそうしたほうが身体にはいいのだと言う。要するに、若者は牛を食べてもよいが、年寄りや女・子供は食べてはいけないと言う。特に中高年は自分で捕まえたり採ったりできる食べ物だけを食べるようにしなさいと言う。

次に、ヨーガについて書きたいがヨーガは修行が必要なので、書いてもよくわからないと思う。そこで、ポイントだけを書くことにする。喩伽をユガまたはヨガと読む人が多いがこれは日本語読みで、インドのサンスクリット語の発音ではヨーガである。ヨーガは瞑想と呼吸と体位(ポーズ)の三つから成り立っている。この三つを同時に実行することによって、気力と体力とを高めることができるのである。なぜなら、瞑想は無駄な気を鎮めることから、結果的に気力を高めることができるからである。呼吸は血流を良くして酸素を体全体に行き渡らせ、老廃物を排除することができるのである。これらによって免疫力を高めることができる。また、体位は筋肉の疲れをとると共に使わない筋肉を強くすることができるのである。そして、結果的に体が正常化していくのである。

瞑想するためには目を半眼にすると良い。呼吸は深く静かにゆっくりと行う。吸う時は10秒ぐらいかけて、吐く時は20秒ぐらいかけて行う。慣れるに従いゆっくり呼吸できるようになる。体位はいろいろあるからいろいろとやるのが良い。好きなものだけやるのは良くない。また、必ず、呼吸と体位の変化をあわせて行う。吸う時は身体を伸ばす、吐く時は身体を縮めるのである。ヨーガは体操ではないから、必ずゆっくりと行う。また、できれば何も身につけずに裸でやるとよい。夜寝る前に布団を引いてその上でやると良い。必ず、瞑想と呼吸と体位とを同時に行うことがポイントである。決して、体位だけを真似してはいけない。瞑想と呼吸と体位をゆっくりと同時行う。そして、体や心の変化を観察しながら行う。これを内観という。痛いけれど気持ちいいという感じを心ゆくまで楽しむが良い。ヨーガをやることによって、安らぎを得るだけでなくより気持ちよくなってくる。そして、少し疲れてきたなと思ったら「死体のポーズ」をとってそのまま死ぬように寝むればよい。

断食は最も直接的に身体に良い影響を与えることが出来るものである。3日間以上の断食は指導者が必要だし、一度や二度の経験では効果がない。だが、毎週、一日だけの断食をするのなら、素人でもできる。この習慣をつけると、3ヶ月ぐらいで見事に体が良くなってくる。これは断食をすることにより、頭と体が食べ物の大切さを理解するようになり、自然と食べ物を大事にするようになるからである。したがって、余分なものは食べなくなる。また、身体に必要な栄養素を多く含んだ食べ物はうまいと感じ、そうでないものはまずいと感じるようになる。たとえば、太った人は油や炭水化物をまずいと感じるようになり、やせた人はうまいと感じるようになるのである。

また、栄養分を多く含む玄米の方が白米よりもうまいと感じるようになる。肉よりも魚の方が、また同じ魚でもアラの方がうまいと感じるようになるのである。自然の動物を見ると、そのことが良くわかる。鳥は魚を食べる時に目からつつき、次にはらわたを食べる。ライオンも獲物を食べる時にははらわたから食べる。いちばん栄養がありうまいからである。そして、人間にとって最もうまい食べ物は旬の野菜であることが分かってくる。そして、冬に夏の野菜をうまいとは思わなくなるし、夏に冬の野菜をうまいとは思わなくなるのである。

ヨーガにしろ断食にしろ、どのような方法であろうと狙いは一つであると思う。それは自然の本来の身体に戻そうということだと思う。人類が数十万年の間、生活習慣としてきたことがここ数十年の間に変わってしまったのである。それを元に戻せばよいのである。できるだけ昔の生活習慣に近い状態にするのである。たとえば、日本には野牛は元々いない。牛を食べるようになったのは外国から牛が入ってきてからである。だから、日本人の体には牛は合わない、生まれ育った場所で獲れる食べ物を食べなさいと川島先生は言う。外国の食べ物は身体に悪い、日本人が何十万年の間食べてきたものを食べなさいと川島先生は言うのである。日本は海に囲まれているため魚介類が豊富である。それに国土の70%(私が小学校の時は80%と習った)が山であり、山の食べ物も豊富である。だから、そのようなものを食べなさいと川島先生は言うのである。そうすることによって、体が正常化して病気が治るのだと。